明日は休みでマレウスとリリアの両名とも特に用事がなく、パーカーと短パンという就寝時の格好で恋人の部屋に訪れたとしたらやることは一つである。
「んっ、ふ、ふふ、くすぐったい、マレウス」
ベッドの上で二人横になって甘い時間を過ごしていればリリアを後ろから抱きしめていたマレウスがこちらの耳を甘く食み始める。まだ情事の熱を感じない優しい愛撫と頬を撫でるマレウスの髪がむずむずとした感覚を生み出しリリアの笑みを誘う。お腹に回されたマレウスの手に己の片手を絡ませつつ空いている手で彼の毛先を弄べば甘い時間が過ぎていく。
ふと、ちゅ、ちゅ、と微かな音を立てながらマレウスが耳の裏側から項へと唇が下がっていった。それと同時に腕に回っていた手がリリアの内太腿に触れる。
「んっ……、もうするのか?」
「良いか、リリア」
問いの形を取っているがその間もマレウスの愛撫は止まることはなくリリアの短パンの下から手が入り込んでくる。足の付け根をゆっくりとなぞられるが肝心の性器には触れられず、じれったさに身を焦がしながらリリアは首を縦に振った。
後ろに手を回してマレウスの角を引き寄せるように触れれば彼は顔を上げていつものように唇にキスをしてくれる。触れ合うような軽いキスから徐々に水音が響くほどに舌を絡ませていく。
「んっ、ぢゅ、むぅ、んんっ、ぢゅ、ぅ、んん……!」
マレウスは下着の上からリリアの性器を握って先端から根元まで扱き始めた。びくんびくんと身体を震わせるリリアの嬌声はマレウスの口のなかに消えていき、苦しさと快感で目尻に涙が浮かぶ。性器から零れる先走りで下着がぐちょりと湿っていくのが不快だがそれすらもリリアの興奮を高めていく要素になり、漏れる吐息には熱が籠っていった。
「んっ、マレ、ウス……直接、触って、んぁ! あっ、ぢゅ、んむぅ……っ!」
キスの合間に要求を伝えればマレウスはリリアが願った通り下着をずり下ろして直接性器に触れる。親指と人差し指で輪をつくり、角ばった指で性器を上下に扱くマレウスにリリアの足がシーツの海を蹴った。キスを続けていられるほどの余裕がなくなり、部屋に嬌声を響かせながらリリアの身体がくの字に曲がっていく。
「あっ、あっ、んんっ、あぁ、んん……っ! あん、ひぅ、うぅ……っ!」
身体がくの字に曲がることで少し離れたことを許さないとばかりにマレウスはリリアをうつ伏せにして覆いかぶさる。そのまま下着ごと短パンを引きずり下ろされ、性器を扱いていた指が後孔へと伸びた。
「は、ぁ、んっ、そのまま、で良いから……あっ、んっ」
後孔の縁をなぞっていた指に自らの指を絡ませ、肉壁のなかへ誘う。それでもなかなか挿入しようとしないマレウスにリリアは顔を後ろに向け、小さく呟く。
「も、準備してきた、から……マレウスが、欲し、い、んああぁあ! あっ、あっ、ひぐ、ぅうう……っ!!」
言葉の途中でマレウスはリリアの指ごと後孔に挿入する。前もって準備してきたなかは柔らかく二人の指を包み、収縮して奥に奥にと飲み込もうとしていた。自分の指でそれを感じ取ってしまったリリアはシーツに額を擦りつけてマレウスの視線から逃れようとする。それでもマレウスの強い眼差しを背中に感じ、羞恥で身体が震えてしまう。
二人の指を苦も無く飲み込んだ内壁を何度か擦り上げられ、リリアは息も絶え絶えになり顔を涙でぐしゃぐしゃに濡らす。
「──ひ、ぅぅ……! あ、ああぁぁあ……っ! んっ、んんんんっっ!!」
悲鳴のような嬌声を零したリリアにマレウスは後孔から指を引き抜き、自身の性器をあてがう。ゆっくりと、でも確実に入ってくるマレウスの性器にリリアは断片的に喜悦の声を上げた。
この瞬間がリリアはたまらなく好きだった。自身の身体がマレウスに支配されていくような優越感と背徳感。そのあとに襲ってくる快感も言い表せないほどに好きでいつも我を失ってしまう。
「あっ、あっ、すき、すきぃ、マレウス、好き……っ!!」
「リリア……っ!」
マレウスの性器がリリアの最奥まで辿り着く。二人の興奮も昂ぶり、あとはもう快楽に支配されるだけとなった瞬間。
──こつ、こつ。
ぴくり、と二人の優れた聴覚が靴音を拾い上げる。こんな夜更けに寮内を歩く理由など普通はないはずで、二人は一切の動きを止めて歩いている人物の動向を探った。
こつこつと足音を響かせる人物はマレウスの部屋に段々と近づいてくる。だがそれと同時にどうやらスマホで誰かと通話しているようだった。
「…………」
「…………」
微かな声を聞いていれば歩いている人物は道に迷って自分の部屋がわからなくなったらしい。隣の部屋の寮生に電話をして目印などを訊ねているようだが、同じような風景が続く寮内ではあまり成果が出ていないのだろう。彼はマレウスの部屋の前で立ち止まり、ぼそぼそと泣きそうな声で話を続けている。
マレウスとリリアは互いに顔を見合わせて苦笑いを浮かべつつ警戒を解き、寮生が去るのをそのままの体勢で待つ。下手に動いて物音が立ち、その音を聞いた寮生に部屋に来られては困るからだ。
「……っ、ふ、ぅ……っ、んっ……」
だがリリアには別の問題が発生し、堪えようとしても微かな呼吸音が口から漏れる。マレウスの性器を受け入れた状態で動きを止めているせいでじわりじわりと腹の奥が疼き始めたのだ。さらに声を出しては、動いてはいけないと意識をするたびに、逆の欲求が沸き起こる。声を上げたい、動きたい。気持ち良くなりたい、と身体がリリアの理性とは反対に小さく揺れてしまう。
「ぅ、うう、んっ、ぐ、っ……」
漏れそうになる声は目の前にあったパーカーの紐を齧ることで最低限に抑え、リリアはゆっくりと音をたてないように腰を前後に揺らす。は、とマレウスが背後で息を飲んだ気配がするがリリアはもう止まれそうになかった。
ゆるゆると腰を動かすせいでリリアのなかにあるマレウスの性器の形がはっきりと感じ取れ、自分の内壁が彼の形にぴったり沿って広がっていくのを認識してしまう。とん、とん、とマレウスの性器で最奥をノックする。自らの腰を動かしているにも関わらずまるで焦らされているかのような快楽にリリアは脳が蕩けてしまいそうでシーツに爪を立てた。
「────リリア」
「んっ、んぅううぅ……っっ!? あ、あああぁっ、ああぁぁああ────っっ!!」
マレウスがリリアの名を呼んだ瞬間、彼は一気に性器を引き抜き、直後最奥まで叩きつけるように捻じ込んだ。脳天を貫くほどの衝撃に紐を噛んでいた口から大きな嬌声が零れる。マレウスはリリアの最奥を押し上げたまま、ぐるりと円を描くように腰を動かす。
「あぁっ! あ、あ、あ、あああぁぁああ……っ! や、あぁ、あっん、んっ、ひ、ああああ……っっ!!」
求めていた快感は強すぎてリリアの視界がちかちかと白く光る。もう声を我慢することなど出来そうになく、またマレウスも肉と肉がぶつかる音を容赦なく部屋に響かせていた。
「はしたないな、リリア。人がいるというのに我慢できなかったのか?」
「ひ、ぅ! や、や、ぁ、ちが、んんっ、んぐぅ、ああ……っ!」
とっさに口から違うという声が出たが、マレウスの言う通り腰を動かしたのは自分なのだから彼は間違ったことをなに一つ言ってはいない。自分のいやらしさを指摘されたリリアは羞恥で目を瞑るが、その間もマレウスは容赦なく責め立てていく。
ごりっと抉るように最奥を突かれてリリアは一際大きい嬌声を上げながら絶頂を迎える。少し遅れてからマレウスもなかに精を放ち、その熱い迸りを受けてリリアは恍惚とした吐息を零した。
「ふ、ぁ……んっ」
マレウスの性器が抜かれるときにも感じ入ってしまうリリアに対し、マレウスは荒い呼吸を整えつつあった。体液で濡れている身体やシーツはマレウスの魔法で奇麗になり、彼は再びリリアを抱きしめたまま横になる。
「大丈夫か?」
「ん、まぁ……平気じゃ」
そうか、とマレウスは微笑みながらリリアのつむじに唇を落とす。気恥ずかしいからそういうことをやめろと言ってはいるのだが、気怠い身体では突っぱねることも出来ずにマレウスの好きなようにさせる。
「んっ、そういえば、外にいる者はどうした?」
「ああ、少し前にどこかへ行ったみたいだな」
「そうか」
キスの雨を受け止めながら気がかりだったことを訊ねれば答えが返ってくる。途中リリアは快感によって気配が探れなくなっていたが、マレウスはきちんと認識していたらしい。となれば残る問題は、いついなくなったかということだった。
はしたない行為をしたという自覚はあるのでリリアは小さな声でマレウスに問う。
「声、聞かれたか?」
「──まさか。リリアの声を僕以外に聞かせるつもりなどないさ。防音魔法をかけた」
リリアをぎゅっと強く抱きしめるマレウスの言葉に安堵しながらも、やはり自分が動いた時には人がいた事実に恥ずかしくなる。
パーカーに顔をうずめようとするリリアをマレウスは阻止しながら耳元で囁く。
「たまには、こういう刺激も良いかもしれないな」
「この、むっつりスケベ。……たまになら、やっても良いが」
気持ち良かったのは確かだったので付け加えるように肯定の意を示せばマレウスは大きな声で笑う。なにか負けた気がするリリアがマレウスの長い髪を引っ張れば彼はさらに笑いを深くするのだった。
「可愛い、リリア」
そういって唇にキスを落とすマレウスの笑顔を見て、リリアは本格的に自らの負けを悟るのだった。
誕生日リリアちゃんのカードを見て、パーカーの紐をセックスするときに齧ってもらいたいと思ったので書きました
あとは入れられたままで我慢できずに自分から動くリリアちゃん。これはまた本格的に書いていきたいです
タイトルはutena様のお題から。ちなみにpixivでは骨の髄まで蕩けさせてというタイトルです