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R-18ネタも普通に呟きます。鍵は私が生涯推しているキャラ名英数字4文字

No.30

マレリリ小話毎日更新企画中その3
(毎日とは言っていない)

このあとR-18になる。そっちはちょっとだけ時間かかるかな?
R-18になるまでのお話

 ──なんて、いたわしい。
 リリアが魔法を発動出来なかった姿を見てマレウスが真っ先に覚えたのは同情心だ。城の者で誰よりも強かったはずの彼が魔法一つ行使出来ない様子は痛々しさと同時に哀れみを呼び起こす。なんて可哀想なリリア。だからこそ、マレウスが助けなくてはいけない。
 誰もが幸せになれる心からの贈り物を、と差し出した手をリリアは払いのけてこちらに咎めるような視線を向ける。まさか拒絶されるなどと考えてもいなかったため呆気に取られたマレウスに彼は畳み掛けるように声を荒げた。
 「馬鹿者! お前は自分がなにをしているか、わかっておるのか!?」
 リリアの怒号に我に返った他寮の生徒、寮長たちがマレウスに杖を向ける。批難する視線が煩わしいと苛立ちが腹の奥に積もっていくようだ。マレウスはこの場にいる全ての者に祝福を贈るつもりだったが、立ち塞がるのならば致し方ないだろう。
 マレウスはたった一度だけ杖を鳴らし、地面から無数の茨を出現させる。リリア以外を拘束した茨の棘に大勢の者が苦痛の声を上げてその場に蹲った。流石に寮長クラスになると痛みに耐えてその場に立っているようだがこの茨は触れている者の魔力を奪う。クソが、と吐き捨てたキングスカラーは心底忌々しいという表情をしており、その様子に少しだけ気分が高揚する。
 カツン、とヒールの音を立てリリアの前に立つ。鋭い眼差しを崩さない彼の頬に触れ、もう一度だけ優しく語りかけた。
 「リリア、僕の手を取り、心からの贈り物を受け取ってくれないか?」
 「──断るっ!! お主、こんなことをしてなんになる! いい加減目を覚ませ!!」
 再び拒絶したリリアにマレウスはただただ落胆する。失わずにいて欲しいと願っただけなのに、どうして叶わないのだろうか。どうしてリリアさえもマレウスを拒絶するのだろうか。
 最初からリリアを諦められるくらいならば、マレウスだって悩むことはなかった。
 嗚呼、そうか。天啓に打たれたかのようにマレウスは気づく。自分はリリアを愛しているのだ。愛しているから失いたくない、諦めきれない。
 「お前を失わずに済む!!」
 感情のままに叫んだ言葉にリリアが息を飲み、隙が出来る。それは時間で言えば刹那の、けれども昔の彼では考えられないほどの大きな油断であった。そしてマレウスにとってはその一瞬の隙だけで充分だ。
 リリアの腕を掴み転移魔法を使う。行く先は何処だって構わなかった、二人きりになれる場所ならば何処でも良いと場所を指定せずに魔法を行使した。
 そのせいで二人が現れた場所はなにもない白い空間──おそらく無意識に他者の関わりを避けるために空間を創ったのだろう──だった。ただ空間があるだけで他にはなにも存在しておらず、何処まで続いているのかは術者のマレウスでさえ把握出来ていない。
 もっともマレウスにとって重要な点は、この空間にリリアと二人きりということであり、他のことは問題にもならない些細なことであった。だが彼はそう考えてはいないようで急に知らない場所に連れてこられたこと、こちらの行動が問題だと糾弾する。
 ──そうやって囀る口に、マレウスは唇を重ねた。
 「……は、おぬ、し……今……」
 己の唇を触りながらリリアが呆然と呟く。なにが起きたのかわからないというような顔をしている彼とは正反対にマレウスの心は満たされていた。これをずっと望んでいたのだと、不思議とそうすることが正しいのだと心が、身体が喜びに打ち震えている。
 リリアにもっと触れたい、とマレウスは再び唇を重ねた。
 「んんんっ……!! んんっ、はっ、ぁ! んんんんっっ────!!」
 リリアがマレウスを殴ろうと振りかざした手を掴み、今度は彼の口内へ舌をねじ込ませる。目を見開いたリリアは生理的な涙を零しながらも抵抗を続け、こちらの舌を噛み切ろうとする意思を見せた。
 だがそれよりも早く、マレウスはリリアの四肢に茨を巻き付けた。この空間の自分の魔力で満たされているため魔法を使う動作をしなくとも思うだけで魔法が発動するのだ。そしてリリアを拘束している茨は先ほどとは違い棘がないものの、魔力を奪うことには変わらない。そうすれば失った魔力を得ようと生存本能が働き、空間に漂っている魔力を本能的に集めてしまう。さらに身体の接触から回収出来る魔力は相手が強者であればあるほど膨大であり、リリアは舌を噛み切るどころか腰が抜けたようにマレウスの胸元へもたれかかってくる。
 「ふっ、ぁ……はっ、んっ……! んぁ……っ!」
 甘えるような熱の籠もった吐息にマレウスはほくそ笑む。リリアの足は小さく震えているが茨の拘束によってなんとかその場に立っていられているようだった。
 唇を離せば飲み込まなかった唾液がリリアの顎を伝って地に落ちる。次々と頬を流れる涙を唇で掬いながらマレウスは彼を抱きしめた。
 「愛している、リリア」
 歓喜に満ちあふれたまま想いを告げる。なんと幸福なのだろうか──このまま、死んでも良いくらいだ、とマレウスは笑う。
 「お主、まさか、オーバーブロットして……! 馬鹿者、今すぐ魔法を中断せぬかっ! このままだと死んでしまうぞ……っ!!」
 「構わない」
 「────な、にを……」
 「構わない、と言ったんだリリア。このまま二人でいること以上の幸福があるか? リリアを失わないで済むんだ、他の者なんていらない。リリア、お前もそうだろう?」
 「違うっっ!! マレウス、お前は間違っておる! こんなお主を、わしは愛さぬっ!!」
 マレウスを押しのけ、茨の拘束を解こうとがむしゃらに全身を動かして抵抗し始めるリリアの姿に、マレウスは深いため息を吐いた。
 もうマレウスにはなにが正しくて、間違っているかの判断がつかない。わかることはリリアが愛していないというのならば、愛するようにすれば良いということだけだ。今のマレウスにはそれが出来る力がある。
 「ならば、リリア。その身に教えてやろう、リリアが誰のものなのか。だってリリアは、僕を愛しているだろう?」
 その言葉にリリアが息を飲む。奇しくもそれが自身の母親と同じ言葉だと知らないまま、マレウスは妖艶に微笑んだ。畳む

マレリリ